ピロリ菌陰性胃がん

ピロリ菌陰性胃がんとは

胃がんイメージ胃がんのほとんどはヘリコバクター・ピロリ菌が胃に感染することに関連して発生するといわれています。一方、ピロリ菌が感染していない胃粘膜に胃がんができることが報告されており、全胃がんのおおよそ1%程度といわれています。

ピロリ菌陰性胃がんは、印鑑細胞がんという種類のがんであることが多く「体部腺」と「幽門腺」の境界領域にできやすいと言われています。「体部腺」と「幽門腺」の境界領域とは、おおよそ胃角と言われる部位にあることが多いです。ピロリ菌陰性の胃粘膜では、ピロリ菌陰性胃がんがないかどうかこの胃角のあたりをしっかりと内視鏡で観察することが必要です。

確率的には低いですが、ピロリ菌の感染が無い胃でも胃癌できますのでピロリ菌の感染が無いと言われた方でも定期的な内視鏡をすることをお勧めします。早期に病変を発見することで、内視鏡での治療が可能です。

ピロリ菌検査で結果が陰性でも、注意する必要のある場合

  • ピロリ菌の除菌治療を過去に受け、除菌しきった方
  • 過去に感染していたが、自然とピロリ菌が消えた
  • ピロリ菌が生息していても陰性の結果が出ている場合(ボーダーライン域にいる・服用中の薬や免疫状態、体質など)

ピロリ菌の除菌が済んでいる

陰性でも胃がんに気を付けた方がよいタイプで、最も多く見られるのは「除菌しきった」タイプです。近年では除菌した経験のある方が多くなり、除菌しきった方が除菌後に検査を受けると、陰性の結果が出やすくなります。なお、血液や尿を使った抗体検査を受けた場合は、除菌しきった方でも陽性が出やすい傾向にあります。
除菌によって胃がんのリスクを抑えられることは、確かに事実です。しかし、除菌が終わるまでの間、胃粘膜は荒らされ続けていたため、「人生の中で感染した経験が全くない方」と同じ状況とは言い切れません。
そのため「陰性」が出たとしても、除菌後の方は胃カメラ検査を定期的に受けることをお勧めします。

除菌していないが、自然とピロリ菌が消滅した場合

「除菌治療をきちんと受けていなかったのにも関わらず、いつの間にかピロリ菌が消滅していた」タイプに当てはまる方もいらっしゃいます。
大抵「別の疾患の治療で使っていた抗生剤によって、たまたまピロリ菌が消えた」のと、「胃の萎縮が進んでピロリ菌が住めなくなった」などがこれに当てはまります。
このような場合でも、ピロリ菌が消滅するまで続いた胃炎の影響は響きますので、陰性であっても胃カメラ検査による経過観察を定期的に受けていただく必要があります。
特に、ピロリ菌がいなくなるほど胃粘膜の萎縮が起きている方は、ピロリ菌陽性の方よりも胃がんリスクが高いです。そのため、通常よりもこまめに、胃カメラ検査による経過観察をする必要があります。

偽陰性

近年では「偽陰性(検査では陰性が出ているのにも関わらず、実際はピロリ菌が生息している状態)」が一定の割合でみられるようになっています。
特に、陽性と陰性のボーダーラインにいる方がほとんどです。抗生剤やPPI(強めの胃薬)、ステロイド剤を現在服用している方、免疫力が落ちている方なども、偽陰性であるケースが多いです。この場合は、定期的な胃カメラ検査に加えて、除菌治療も速やかに受けていただきます。

「過去に除菌した方」は医師からの説明によって、治療後における「陰性」の意味をきちんと把握できる方が多い傾向にあります。しかし、「ピロリ菌が自然といなくなった方」や「偽陰性の方」につきましては、ご自身の感染歴をきちんと把握できる機会が今までになかったため、「一度も感染していない方」と同じだと思い込み、放置してしまう傾向があります。そのため、より一層注意していく必要があります。

陰性でもぜひ検査を受けましょう

胃がんのリスクを抑えるには、「一度も感染していない方」と「注意した方がよい方」それぞれに適した治療を行うことが大切です。
そして、きちんと患者様のタイプを見極めるには、胃部X線検査や胃カメラ検査などで、胃粘膜の状態を直接調べる必要があります。ピロリ菌検査を受けて陰性と言われた方でも、ぜひ胃部X線検査や胃カメラ検査を受けていただいてから、ご自身の胃の状態を確認しておくことをお勧めします。
また、2014年ではピロリ菌感染胃炎の診断指標となる所見をはっきりさせた、新しい診断基準である「胃炎の京都分類」が定義されました。画像検査の結果、以下に載っている所見があった方は、現在もしくは過去にピロリ菌感染を起こしている可能性があります。
今後もときどきな検査を受けていただきながら、はじめに受けた検査とは違うもの受けられることをぜひ推奨します。

ピロリ菌感染歴の可能性がある所見例

胃部X線検査

  • 慢性(萎縮性、過形成性)胃炎
  • ヒダの腫大または肥厚、巨大皺襞(すうへき)
  • 胃潰瘍の瘢痕(はんこん)、十二指腸球部変形

胃カメラ検査

  • 慢性(萎縮性、過形成性)胃炎
  • 鳥肌胃炎
  • 胃・十二指腸の潰瘍瘢痕(はんこん)
  • 腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)
  • ヒダの腫大または肥厚、巨大皺襞(すうへき)
  • 白濁粘液
  • 過形成性ポリープ
  • キサントーマ(黄色腫)

胃カメラ検査の予約方法

検査予約

当院では、下記のような検査予約方法がございます。

① WEBからの検査予約

24時間WEBにて検査予約を受け付けております

24時間WEB予約

② LINEからの検査予約

LINEから簡単に検査の予約ができます

LINEかんたん予約

③ お電話での検査予約

検査予約電話センターより、オペレーターと相談して予約が可能です

電話バナー

*電話センターは時間帯によっては混雑して対応ができないこともございます。その場合には、改めてお電話いただくかWEBからの予約をご検討ください。

*直接来院いただき検査を予約していただくことも可能です。ご予約の方の診察が優先される場合がありますことをご了承ください。

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