健康診断で「がんの疑い」?がん発見率や精密検査について解説

「健康診断でがんの疑いがあると言われて不安」
「がんの疑いがあると言われたら何をしたらいいの?」

このような悩みを抱えていませんか?がんの疑いがあると言われると、誰でも不安を抱えてしまうことでしょう。この先どのような検査をするのか、検査によりがんと判定される確率はどれくらいなのかなど、気になることばかりだと思います。

今回は、健康診断でがんの疑いがあると言われたときにどのような検査を受けるのか、精密検査によってどれくらいの割合でがんが見つかるのかなどについて詳しく見ていきましょう。

1章、健康診断でがんの疑いがあると言われたらするべきこと

健康診断でがんの疑いがあると言われてまずするべきことは、精密検査です。疑いがあるという状態では、それが本当にがんなのかそれとも別のものなのか判別できません。あくまでも「疑い」でしかないのです。

精密検査をすれば、がんなのかどうか、がんならばどれくらい広がっているのかなどがわかります。

がんの疑いがあると言われると、多くの患者さんは「自分はがんだ」と思い込んでしまう傾向にありますが、決してがんの宣告をしているわけではありません。まずは精密検査を受けて、詳しく調べる必要があります。

1-1、がんの疑いがあるときに受ける精密検査の種類

がんの疑いがある場合は、精密検査を行います。がんの疑いがある部位によって検査内容は変わりますので、ここで紹介する検査がすべて行われるわけではありません。

それぞれの精密検査にどのような特徴があるのか、どのがんを見つけるのに適しているのかをまずは見ていきましょう。

1-2、CT検査

CT検査とは、X線を体の周囲からあてることで体内を画像化する検査のことです。X線の吸収率の違いをコンピューター処理して画像にします。肺や大腸などの確認で行われることが多い検査です。

被爆するというデメリットはあるものの、検査時間が短くがんの大きさや周囲への広がりなどもわかることからよく用いられています。

1-3、MRI検査

MRI検査は強力な磁石と電波を使って体内を画像化する検査です。CT検査と違ってX線は使わないため被爆の心配がありません。ただし、15~45分と検査に時間を要すること、検査中に大きな音がなることがデメリットです。

ほぼすべてのがんの検査で用いられます。CT検査では区別がつきにくいような組織の判別に有効です。

1-4、胃内視鏡検査(胃カメラ)

胃内視鏡検査は、胃カメラとも呼ばれています。口や鼻から細い管状のカメラを入れ、胃や食道などの状態をチェックするものです。必要に応じて病変を採取できるため、がんの検査に役立ちます。

1-5、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を入れて大腸の様子を調べる検査です。胃内視鏡カメラと同じく、必要に応じて病変を採取できます。腸内をきれいにする前処置を事前にしっかり行っておかないと、検査がきちんと行えません。

1-6、注腸レントゲン検査

こちらも大腸内を確認するための検査です。肛門から造影剤のバリウムと空気を入れた状態でレントゲン撮影を行います。大腸内視鏡検査とは違い、検査途中で病変を採取することはできません。ただし、大腸内視鏡検査より正確にがんの位置や大きさを調べられます。

1-7、気管支鏡検査

の状態を確認するための検査です。口や鼻から内視鏡を挿入し、気管支の中を確認します。がんの疑いがあるときだけでなく、肺炎や感染症の確認をするためにも行われることが多い検査です。検査中は声が出せません。検査時間は20~30分程度です。

1-8、マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳がんの疑いがあるときに行われます。板状のプレートで乳房を挟み、薄く伸ばしてX線を当てる検査です。乳房を薄く伸ばすため、病変が鮮明に見えやすくなります。見たり触ったりしただけではわからないしこりを発見することも可能です。

1-9、超音波検査

がんの疑いがある部位に超音波を当てて、リアルタイムで内部を画像化します。膵臓や腎臓、卵巣や子宮などの検査で使われることが多いでしょう。臓器によっては造影剤を使って検査することもあります。

1-10、コルポスコープ

コルポスコープとは、膣拡大鏡のことです。子宮の中を拡大して観察し、異常がないかどうかをチェックします。必要に応じて病変を採取することも可能です。「痛みが出るのでは?」と心配される方もいますが、多くは大きな痛みを伴うことはなく短時間で検査は終了します。

1-11、組織診

病変の一部を取って顕微鏡で調べる検査です。組織そのものを取って調べるため、検査の精度はかなり高いと言われています。そのため、組織診の結果が確定診断となることが少なくありません。

2章、精密検査でがんが見つかる割合

では、精密検査を受けた方のうち、実際にがんだと診断される方はどのくらいいるのでしょうか。胃がんの場合はがん検診を受けた1,642,576人のうち107,024人で精密検査が必要となり、そのうち1.83%の方ががんと診断されました。

 

 

胃がん肺がん大腸がん子宮頸がん乳がん

がん検診受診者数

1,642,576人

3,466,673人

3,961,985人

3,547,376人

2,344,748人

精密検査が必要になった方の数

107,024人

55,500人

234,661人

85,209人

147,806人

精密検査受診率

84.1%

83.0%

69.8%

74.6%

89.2%

がんであった方の数

1,958人

1,070人

6,543人

858人

6,949人

精密検査が必要になった方のうちがんが見つかった方の割合

1.83%

1.93%

2.79%

1.01%

4.70%

3章、がんについて知っておきたいこと

がんは誰がなってもおかしくない病気です。がんの疑いがあると言われることも、決して珍しくありません。

3-1、がんは誰でもなる可能性がある

生涯でがんにかかる確率は、男性で65.5%、女性で51.2%だと言われています。過半数の方が一生のうちにがんと診断されるのが現状です。また、がんで死亡する割合は男性で26.7%、女性で17.9%です。誰がいつ、どのようながんになるのかはわかりません。がんは誰にとっても身近な病気です。

3-2、日本でよく見られるがんの種類

日本でもっとも多く見られるがんは大腸がんです。次いで肺がん、胃がんが多く見られます。大腸がんの罹患者数が多いのは、食生活の欧米化や肥満などが関係しています。大腸がんに限らず、どのがんでも早期発見・早期治療が大切です。

 

 

1位2位3位4位5位

総数

大腸

乳房

前立腺

男性

前立腺

大腸

肝臓

女性

乳房

大腸

子宮

3-2、予防できるがんもある

がんは体質や遺伝によるものもありますが、日々の生活習慣が関係している場合も多く見られます。男性と女性でともにがんの要因として多いのが、喫煙や感染、飲酒です。男性にいたっては、がんの原因のうちとなっています。

 

国立がん研究センターは、禁煙や節酒、食生活の見直しや適正体重の維持、身体活動によってがんのリスクをほぼ半分にできるとしています

 

 

男性女性

1位

喫煙

感染

2位

感染

喫煙

3位

飲酒

飲酒

4章、がんの早期発見にはがん検診を受けることが大切

がんはいかに早く見つけて治療するかが大切です。病巣が浅く狭いうちに見つけられれば、治療によってこれまでと変わらない生活を送ることもできます。早期発見のために役立つのが、がん検診です。

4-1、国が推奨しているがん検診の種類

がん検診とは、がんの疑いがあるかどうかを調べる検査のことです。最終的にはがんがあるのか、ないのかというところまで調べます。国が推奨しているがん検診は、次の5種類です。

• 胃がん健診
• 子宮頸がん健診
• 肺がん健診
• 乳がん健診
• 大腸がん健診

がん検診を受けることで、がんによる死亡率が下がることがわかっています。「症状がないからがん検診は受ける必要がない」と思われる方もいるかもしれませんが、そもそもがん検診は症状がない方が対象です。早期発見のためにも、定期的に受診するのをおすすめします。

4-2、がん検診の受診率

厚生労働省の「令和2年度地域保健・健康増進事業報告の概況」によると、令和2年度のがん検診の受診率は次のようになっています。数字を見るとわかる通り、受診率は決して高くありません。受診率をいかに上げるかが今後の課題だといえます。

胃がん

7.0%

子宮頸がん

15.2%

肺がん

5.5%

乳がん

15.6%

大腸がん

6.5%

4-3、がん検診を受けるメリット

がん検診を受けることで、がんによる死亡率を下げられることがメリットです。早期発見・早期治療が可能になるため、軽い治療で済んだり短期間で治療できたりなどのメリットもあります。また、がん検診でがん以外の病気が見つかり、治療につながることも少なくありません。

4-4、がん検診を受けるデメリット

デメリットとしては、がん検診の結果が100%正しいわけではないことが挙げられます。がんの疑いがあると言われてもがんじゃないこともありますし、異常なしの場合でもがんが潜んでいる場合があるのです。がん検診の精度は低くありませんが、部位によっては発見しづらく見逃されてしまうケースがあります。

5章、健康診断やがん検診に関するQ&A

最後に、健康診断やがん検診に関する質問にお答えします。

Q1、がん検診はどこで受けられますか?

がん検診は、自治体から委託を受けた医療機関で受けられます。郵送されるがん検診の案内や市区町村のサイトなどでがん検診を受けられる医療機関を探すことが可能です。

Q2、健康診断でがんの疑いがあると言われたら必ず精密検査を受ける必要がありますか?

強制ではありませんが、がんの早期発見・早期治療を実現するためにも必要な場合は精密検査を受けるようにしてください。

Q3、がん検査を受けるのに痛みや苦痛はありますか?

検査の内容によっては痛みや苦痛を感じることがあります。できるだけ患者さんに負担をかけない検査を行っている医療機関もありますので、予約する際は検査の仕方まで確認しておくと安心です。

まとめ

健康診断でがんの疑いがあると言われたら、早めに精密検査を受けるようにしてください。精密検査によって本当にがんがあるのか、どれくらい広がっているのかなどの詳細がわかるようになります。がんをできるだけ早く見つけるためにも、定期的にがん検診を受けるのもおすすめです。

「東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック」「秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック」では、症状がない方でも胃カメラや大腸カメラを受けられる消化管ドックを実施しています。この先も健康で過ごすためにも、定期的に検査をしましょう。

下記より予約を承っています。通所の胃カメラ・大腸カメラから予約をお取りください。

電話での予約は下記より承っています。

通常の健診は井口病院で予約を承っています。下記より予約をお取りください。

 

・令和2年度地域保健・健康増進事業報告の概況: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/20/dl/kekka2.pdf

・がんという病気について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]: https://ganjoho.jp/public/knowledge/basic/index.html

・最新がん統計:[国立がん研究センター がん統計]: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

・科学的根拠に基づくがん予防:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]: https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html

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診療時間
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14:00~17:30

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※祝日のみ休診

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