胃カメラで見落としの確率はあるの?|人間ドックで高精度検査を

「胃カメラ検査で病気を見落とされることはあるの?」 「胃カメラの見落とし確率はどのくらい?対策があれば知りたい。」 こういった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

胃カメラ検査は、胃の内部を直接観察できる重要な検査方法です。特に、胃がんなどの深刻な病気の早期発見に非常に有効です。しかし、カメラ越しに医師が肉眼で判断するため、見落としを完全になくすことは難しいのが現状です。

実際、胃カメラ検査における見落とし確率は決して低くありません。たとえば、胃カメラ検査で「胃がんがない」と診断された人のうち、実際には見落としがあり、その後1年以内に改めて胃がんと診断された人が約6.4%、3年以内では約11.3%いたと報告されています。また、他の研究でも胃がんの見落とし率は4.6%から25.8%程度とされています。

胃カメラ検査にはリスクや苦痛が伴うこともあります。せっかく受けるのであれば、見落としのリスクを最小限に抑えたいものです。本記事では、胃カメラ検査における見落としの要因を詳しく解説し、最新の内視鏡技術や専門医の診断によって見逃しリスクを低下させる方法について紹介します。さらに、人間ドックの一環として胃カメラ検査を受けることの利点についても触れていきます。

東京都内で最新の胃カメラ検査や人間ドックを受けられる医療機関をお探しの方は、北千住駅から徒歩2分の東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニックないし東京千住・尚視会健診プラザにお越しください。グループ全体で月間約2000件の内視鏡検査を行っている経験豊富な専門医たちが在籍しています。また、NBI(狭帯域光観察)を搭載した最新の内視鏡検査機器を使用することで、見落としを最小限に抑えた高精度の検査と安心の診療体制を整えております。ぜひ、当院にご相談ください。

胃カメラ(胃内視鏡検査)とは

胃カメラ(胃内視鏡検査)とは、細長い管の先端にカメラが付いた機器を口や鼻から挿入し、食道や胃、十二指腸の内部を直接観察する検査方法です。この検査は、炎症、潰瘍、腫瘍などの異常を発見するために行われます。内視鏡には、主に経口内視鏡と経鼻内視鏡の2種類があります。

経口内視鏡

経口内視鏡は、患者の口から内視鏡を挿入する方法です。この方法は広く普及しており、通常は喉の麻酔を使用して行います。経口内視鏡は直径が比較的大きく、7~10mm程度の太さがあります。そのため、高解像度の画像を提供することができ、詳細な観察や治療に適しています。

しかし、内視鏡そのものの太さから、喉を通過する際に嘔吐反射が起きやすく、患者にとっては不快感を伴うことがあります。

経鼻内視鏡

経鼻内視鏡は、患者の鼻から内視鏡を挿入する方法です。経鼻内視鏡の直径は5~6mmと細く、喉を通らないため嘔吐反射を起こしにくく、検査中も会話が可能です。このため、経口内視鏡に比べて苦痛が少ないとされています​ ​。

しかし、内視鏡が細いため、画像の解像度がやや劣る場合があり、組織採取の際に制約があることもあります。そのため、病気の状態や治療の種類によっては、経鼻内視鏡を選択できない場合があります。

また、鼻を経由してカメラを挿入するため、鼻血が出たりや鼻の痛みを感じたりといった弊害が生じる場合があります​。

 

見落とし確率が上がる要因

胃カメラ検査は非常に有用な診断手段ですが、最終的には目視に頼る検査方法である以上、見落としの確率はけっして少なくはありません。特に初期の小さな病変や特定の部位にある病変は見落とされる可能性が高くなります。主な見落としの確率が上がる要因には、以下のようなものがあります。

死角で見えづらい

胃の内部には多くのひだ(襞)があり、これらが視界を遮ることがあります。特に、胃の中の胃体部後壁、胃体部大弯、胃角部~前庭部小弯、噴門小弯といった場所は、内視鏡の死角になりやすく、病変を見落とすリスクが高まります。

このリスクを減らすため、多くの医療機関では順方向と逆方向の2方向から観察を行います。これにより、死角を減らし、見落としのリスクを低減させています。

病変が小さくわかりづらい

胃の中に病気で異変が発生していても、初期段階であまりにも小さく、胃カメラではとらえきれない場合があります。たとえば早期の胃がんは、胃カメラで確認しようとしても、わずかなへこみや色調の変化しか現れないことがあります。

このような小さな病変を発見するには、内視鏡医の高度な技術と最新の機器が必要です。胃内視鏡検査を受ける際には、そこに在籍する医師の経歴をWebサイトで調べ、専門性の高い医師が在籍しているか確かめるのがおすすめです。

画質が悪く見づらい

使用する内視鏡機器の画質も、見落としの要因となり得ます。古い機器や低解像度の機器では、微細な病変を識別することが困難になる場合があります。この場合、どれだけ腕の良い医師であっても、必然的に見落としの可能性が高まってしまいます。

胃カメラ検査を行っている医療機関では、どのような機器を使用しているかWebサイトで公開している場合があるため、あらかじめ確認してみましょう。

 

胃カメラでわかる病気

胃カメラ検査は、胃炎や胃ポリープのように軽微なものから、胃潰瘍・胃がんといった重篤な疾患まで、さまざまな胃の病気を発見するのに有効です。

しかし、前述のような要因により見落としのリスクもあるため、この後紹介する対策を講じることが重要です。

胃炎

胃の粘膜に炎症が起こっている状態を胃炎といいます。急性胃炎と慢性胃炎があり、ストレスや食生活の乱れ、ピロリ菌感染などが原因となることがあります。胃カメラでは、胃粘膜の発赤や腫れ、びらんなどの所見を確認できます。

胃炎が発見された場合には、原因に応じた治療が行われます。ピロリ菌が原因の場合は、抗生物質による除菌治療を行います。これは、胃炎の原因を根本的に取り除くためです。ストレスや食生活が原因の場合は、生活習慣の改善や制酸薬、胃粘膜保護薬の服用が推奨されます。これらの治療は、胃の粘膜を保護し、炎症を抑えることで症状の改善と再発防止を図ります。

胃がん

胃の粘膜から発生する悪性腫瘍です。早期発見・早期治療が重要であり、胃カメラ検査はその発見に大きな役割を果たします。早期胃がんでは、わずかな色調の変化や粘膜の凹凸などの微細な変化を観察します。

胃がんと思われる病変が見つかった場合は、まず生検を行い、がんの確定診断を行います。早期胃がんの場合、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの内視鏡治療が選択されることがあります。これは、開腹手術に比べて体への負担が少なく、胃の機能を温存できるためです。

また、進行している胃がんの場合は、手術による切除が基本的な治療法となります。がんの進行度に応じて、化学療法や放射線療法を併用することもあります。これらの治療は、がん細胞を取り除き、再発を防ぐことを目的としています。

また、早期発見・早期治療ほど治療の選択肢が広がり、予後も良好となるため、定期的な検査が重要です。

胃潰瘍

胃の粘膜や粘膜下層が欠損した状態を指します。ストレスやピロリ菌感染、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期服用などが原因となることがあります。胃カメラでは、潰瘍の大きさや深さ、周囲の状態などを詳細に観察できます。

胃潰瘍であると診断された場合の治療には、プロトンポンプ阻害薬(PPI)や H2受容体拮抗薬などの制酸薬が用いられます。これらの薬は胃酸の分泌を抑え、潰瘍の痛みを和らげるとともに、潰瘍の治癒を早めます。

また、胃粘膜保護薬も併用されることがあります。これは、胃の粘膜を保護し、潰瘍の治癒を助けるためです。重症の場合や出血が続く場合は、内視鏡での止血術や手術が必要になることもあります。

胃ポリープ

胃の粘膜が隆起して形成される良性の腫瘍です。多くの場合は無症状ですが、大きくなると出血や通過障害を引き起こす可能性があります。胃カメラでは、ポリープの大きさ、形状、表面の性状などを観察し、必要に応じて生検を行います。

胃内視鏡検査によりポリープが発見された場合、切除が必要と判断された場合、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの方法で取り除きます。これらの方法は、開腹手術に比べて体への負担が少なく、胃の機能を温存できるメリットがあります。切除後は病理検査を行い、悪性の可能性がないか確認します。これは、まれにポリープががん化する可能性があるためです。

ピロリ菌・ヘリコバクター

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因となる細菌です。胃カメラ検査中に組織を採取する、もしくは採血検査により、ピロリ菌の有無を調べることができます。

また、ピロリ菌感染による胃粘膜の変化も観察可能です。

検査によってピロリ菌の感染が確認された場合には、除菌治療を行います。一般的に、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と2種類の抗生物質を7日間服用する治療が行われます。この治療法は、ピロリ菌を効果的に除去し、再感染のリスクを低減するのに有効です。

除菌治療を行う理由は、ピロリ菌が胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍そして胃がんの原因となると言われているからです。除菌に成功すれば、これらの疾患のリスクを大幅に減らすことができます。

 

胃カメラ検査で早期がんを見落とさないための対策

胃カメラ検査での見落としリスクを最小限に抑え、早期がんなどの重要な病変を見逃さないためには、以下のような対策が効果的です。

定期的な検査を受ければ、たとえ一度の検査で見落とされた病変があったとしても、次回の検査で発見できる可能性が高まります。

また、経時的な変化を観察することで、より正確な診断が可能になります。

最新の胃カメラで検査する

医療技術の進歩により、従来の内視鏡よりも高性能な機器が開発されています。特に注目されているのが、拡大内視鏡検査とNBI(Narrow Band Imaging)検査です。これらの最新技術を組み合わせることで、従来の内視鏡検査では見落とされていた可能性のある病変も発見できるようになりました。

拡大内視鏡検査

拡大内視鏡検査は、通常の内視鏡の100倍以上の倍率で粘膜を観察できる技術です。微細な血管や粘膜の構造を詳細に観察することができ、早期がんの発見に非常に有効です。

NBI検査

NBI検査は、特殊な光を用いて粘膜の表面構造や微小血管を強調して観察する技術です。通常の白色光では見えにくい微細な病変を発見しやすくなります。

実績豊富な専門医の診断を受ける

胃カメラ検査の精度は、使用する機器の性能だけでなく、検査を行う医師の技術や経験にも大きく左右されます。そのため、消化器内科や内視鏡診療の専門医による診断を受けることが重要です。

ベテランの専門医は、微細な病変を見逃さない高い観察技術を持っているだけでなく、見つかった病変の性質を正確に判断する能力も高いため、胃カメラ検査で懸念される見落としの確率を大幅に下げてくれます。

さらに、患者さんの症状や背景情報を総合的に考慮した診断や治療方法の提案を行うこともできます。胃カメラ検査を受ける際には、経験や実績の豊富な、専門性の高い医師の元で受けましょう。

定期的に胃カメラ検査を受ける

一度の検査で見落とされた病変も、定期的に検査を受けることで発見できる可能性が高まります。特に、以下の項目に当てはまる方は定期的な検査がより強く推奨されます。

  • ピロリ菌に感染したことがある方
  • 胃がんを発症したご家族がいる方
  • 40歳以降の方(胃がんの発症リスクが高くなる年齢であるため)

胃がんの発症リスクが高くなるのは40歳以降とされていますが、個人の状況によって適切な検査間隔は異なります。かかりつけ医や専門医と相談の上、自分に合った検査計画を立てることをおすすめします。

人間ドックを活用する

人間ドックは、胃カメラ検査を含む総合的な健康チェックを行う絶好の機会です。多くの人間ドックプログラムには胃カメラ検査が含まれており、定期的に受診することで以下のメリットがあります。

  • 総合的な健康状態の把握:胃カメラだけでなく、他の検査結果と合わせて全体的な健康状態を評価できます。
  • 経年変化の観察:毎年同じ条件で検査を受けることで、微細な変化も見逃さず経過観察できます。
  • 専門医による診断:人間ドックでは、施設によっては経験豊富な専門医が検査を行うため、見落としのリスクが低減されます。
  • 最新の検査機器:多くの人間ドック施設では最新の医療機器を導入しているため、高精度の検査が可能です。

自身の健康状態を定期的に徹底的にチェックし、ちょっとした異変にも気が付けるようにしておきましょう。

 

都内で最新の胃カメラ検査をお探しの方は東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニックないし尚視会健診プラザへ

ここまで、胃カメラ検査での見落としリスクとその対策について詳しく解説してきました。胃カメラ検査はさまざまな疾患を早期発見するために有効な検査方法ですが、残念ながら完璧な検査方法というものは存在しません。

しかし、最新の技術を活用し、経験豊富な専門医による診断を受け、定期的に検査を行うことで、見落としのリスクを最小限に抑えることができます。

東京都内で最新の胃カメラ検査や人間ドックをお探しの方は、北千住駅から徒歩2分の東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニックないし東京千住・尚視会健診プラザにお越しください。当院では、最新の内視鏡機器を導入し、経験豊富な専門医による診断を提供しています。拡大内視鏡検査やNBI検査にも対応しており、わずかな病変も見逃さない高精度な検査が可能です。

また、当院の人間ドックプログラムには胃カメラ検査が含まれており、総合的な健康管理と早期発見・早期治療を実現します。患者さん一人ひとりの状況に合わせた丁寧な説明と、快適な検査環境の提供にも力を入れています。

胃の健康に不安を感じている方、定期的な検査や人間ドックをお考えの方は、ぜひ東京千住・尚視会健診プラザでの受診をご検討ください。

これらの変更により、人間ドックの要素が記事に自然に組み込まれ、より包括的な健康管理の視点を読者に提供することができます。

電話でのご予約も9〜17時で承っています。

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