盲腸がんの症状は?治療方法や検査方法についても解説

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「盲腸がんになると、どのような症状が出るの?」

「盲腸がんの治療方法や検査方法が知りたい」

 

もしかしたら盲腸がんの症状が出ているかも、と思うと不安になる方がいらっしゃるかもしれません。そもそも、「盲腸がん」という言葉自体をあまり聞いたことがない方もいるかもしれません。

 

今回は、そんな盲腸がんについて症状や治療方法、検査方法について詳しく解説したいと思います。本記事を読むことで、ぜひ盲腸がんに対する理解を深めていただけたらと思います。

1章、盲腸がんで見られる症状

「お腹が痛いのが続いているけど大丈夫なのかな」「盲腸のあたり(おなかの右下)が痛いけど、何か悪いのではないだろうか」と不安に思っていませんか?

 

まずは、盲腸がんで見られるおもな症状について見ていきましょう。

 

ほとんど症状が出ないことが多い

盲腸がんになっても、症状が出ることはほとんどありません。大腸は小腸(回腸)より続いており、順に盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、上部直腸、下部直腸、肛門と別れています。

 

直腸やS状結腸など、肛門に近い部位にがんができると、便が通過できず便秘になったり出血したり、細い便や下痢になったり便に関係する症状が出やすくなります。

 

盲腸あたりにある便は、まだ水分が多く含まれており大腸を通過するときに何らかの症状が出ることがありません。便は大腸の中を動いて肛門に向かう最中に水分が吸収されて固形になっていきます。盲腸は大腸の入り口付近のため、便が固くなっていないため通過障害が起きず、症状はほとんどありません。

 

ただし、盲腸がんが大きくなると、外から触ってもわかるほどのしこりができたり、がんからの出血により貧血が起こり採血検査で指摘されて盲腸がんが発覚するケースもあります。

 

まれに虫垂炎を合併して発見されることがある

虫垂炎を発症したことがきっかけで盲腸がんが発覚することがあります。虫垂炎とは、盲腸の下から出ている管状の突起である虫垂が炎症を起こした状態です。急性虫垂炎そのものは珍しい病気ではありませんが、盲腸がんと合併して起こることは稀です。

 

急性虫垂炎が盲腸がんとどの程度の関連性があるかを調べたデータによると、65歳以上で急性虫垂炎を発症した218例のうち、盲腸がんが原因だったのはわずか4例(1.8%)でした。それほど盲腸がんを合併している例は珍しいのです。

 

みぞおちからお腹の右下に移動する腹痛があったり、発熱や食欲低下などの症状が出たりするなど虫垂炎が疑われる症状が見られる場合は、医療機関で検査してもらいましょう。盲腸がんではなく虫垂炎だったとしても、内服薬での治療や外科手術が必要な場合があります。

 

2章、そもそも盲腸がんとは?

盲腸がんとは、名前のとおり盲腸にできるがんのことです。「盲腸になった」といわれることがありますが、本来「盲腸」は病気の名前ではなく腸の部位を表す名前として使われています。

 

盲腸がんは大腸がんの一種

盲腸は、大腸の入り口付近にある部位です。大腸は入り口から盲腸や上行結腸、横行結腸などいくつかの部位にわかれています。盲腸も大腸の一部であることから、盲腸がんは大腸がんの一種といえます。

 

盲腸がんは聞いたことがない方でも、大腸がんなら耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。大腸がんは、大腸にできるがんを全てひっくるめて使われる病名です。そのため、盲腸がんも大腸がんの仲間に含まれています。

 

大腸がんはもっとも罹患数が多いがん

2019年にがんの罹患数を調べたデータによると、男女を合わせた総数では、1位が大腸がん、2位が肺がん、3位が胃がんとなっています。大腸がんを結腸がんと直腸がんにわけた場合は、総数で結腸が3位、直腸が6位です。

 

結腸がんは盲腸からS状結腸までの部分、直腸は上部直腸から肛門管までを指します。つまり盲腸がんは、結腸がんの一種でもあるのです。

 

大腸がんと診断された方は2019年のデータでは、年間で155,625例でした。このうち男性では87,872例、女性では67,753例となっています。大腸がんは年齢とともに罹患率が上昇していくことが特徴です。また、年々大腸がんと診断される方の数も増えてきています。

 

盲腸がんだけのデータはありませんが、全体で見ると決してめずらしいがんではないといえるでしょう。また、予後に関しては5年相対生存率が71.4%となっており、他のがんと比べても予後は良い部類と考えられています。

 

3章、大腸がんには種類が多くある

大腸がんとひっくるめて言われることが多いですが、この言葉にはさまざまな種類のがんが含まれています。大腸にはいろいろな部位があるので、部位別にがんの呼び方が変わってくるのです。

 

    • 盲腸がん
    • 上行結腸がん
    • 横行結腸がん
    • 下行結腸がん
    • S状結腸がん
    • 直腸がん

 

このように、大腸がんにはいくつか種類があります。もちろん、盲腸がんも大腸がんの一種に過ぎません。大腸がんでよく見られるのはS字結腸がんや直腸がんです。これらの発生頻度は、大腸がん全体のうちそれぞれ35%ほどあります。

 

これに対して、盲腸がんは約5%と頻度が高くありません。そのため、盲腸がんに絞ったデータはあまりないのです。大腸がんのなかでは少し珍しいがんといえるでしょう。

 

自覚症状が出にくいこともあり、盲腸がんの発見は遅れやすい傾向にあります。そのため、大腸がんの発症率が上がってくる40代になったら、定期的に大腸の検査を受けることが大切です。

 

大腸内視鏡検査の予約は、下記より24時間WEBにて承っています。

 

 

4章、盲腸がんが疑われるときの検査方法

盲腸がんが疑われる場合は、がんかどうかを確定するために詳しい検査が行われます。本当にがんがあるのかを調べる検査、どれくらいがんが広がっているのかを見る検査などさまざまです。状況に応じて医師が判断し、適切な検査を行います。

 

注腸造影検査

バリウムと空気を肛門から注入し、X線を当てることで患部を画像化する方法です。どこにがんがあるのか、どれくらいの大きさなのかが正確にわかります。また、がんによって腸が狭くなっていないかなども確認することが可能です。注腸造影検査を行う前日には、下剤を服用して腸を空にする必要があります。

 

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

がんかどうかを確定するために行われる検査で、ゴールドスタンダードの検査です。内視鏡スコープを肛門から挿入し、大腸全体をしっかり見ながら病変がないかどうかを調べます。大腸内視鏡検査の便利なところは、検査中にがんやポリープなどが見つかった場合に、病変の組織の一部を採取できる点です。

 

採取した組織で病理診断を行い、悪性なのか良性なのかなどを調べられます。ただし、検査の前に大腸前処置といって下剤で大腸の中をキレイにする必要があります。

 

大腸の前処置については、「楽に大腸内視鏡検査を受けるための下剤内服!種類から費用・飲み方のコツまでを解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

CT検査

CT検査は、X線を体の周りからあてることで腸内を画像化する方法です。X線は部位によって吸収率が異なり、この吸収率の違いを利用することで体の断面を画像にします。CT検査に必要な時間はおよそ10~15分です。

 

比較的短い時間で撮影できることから、患者さんの苦痛を軽減できます。がんが転移していないか、どれくらい広がっているかを調べる検査ですので、大腸内視鏡検査のように病変を採取することはできません。

 

MRI検査

強力な磁石と電波を使うことで、体の断面図を画像化する検査です。CT検査と似ていますが、X線は使用しないので被爆の心配がありません。ただし、検査の際にトンネル状の装置の中で大きな音が発生します。やはり大腸内視鏡と比べ大腸内の詳細な観察や病変の採取などはできません。

 

PET検査

FDGという放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射し、これが細胞にどれくらい取り込まれるのかを画像化します。がんの有無や位置、広がりを調べるのに効果的です。ほかの検査でがんの様子がうまくわからなかった場合に用いられることがあります。

 

腫瘍マーカー検査

がんの種類によって作られている特徴的なタンパク質などの物質の値を見る検査です。値が基準値を超えていればがんの可能性がありますが、がんが本当にあるのか、どれくらい進行しているのかまではわかりません。あくまでがんの可能性を知るために用います。

 

5章、盲腸がんの治療方法

盲腸がんの治療方法は、がんの進行度や深さなどによって適切なものを選択します。

 

内視鏡治療

内視鏡を使ってがんを取り除く方法です。がんがリンパ節に転移している可能性が低く、内視鏡でも切除できるくらいの大きさの場合に適応となります。取り除いたがんを調べ、再発や転移の危険性があるとわかった場合は、後ほど別の治療が行われることがあります。

 

大腸がんの内視鏡治療に関しては、「大腸がんの治療・大腸ESDってどんな治療なの?」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

外科手術

内視鏡だけで取り除くのが難しい場合に行うのが手術です。がんがある部位はもちろん、がんが広がっていると考えられる場所まで一緒に取り除きます。そうすることでがんの再発を防ぐのです。場合によっては人工肛門を作ることもあります。

 

薬物療法

抗がん剤や分子標的薬などを使ってがんを縮小させたり再発を抑えたりする治療です。使う薬にはさまざまな種類があるため、がんの状態や転移、治療の目的に応じて使いわける必要があります。

 

薬物療法は正常な細胞にもダメージを与えてしまうため、吐き気や倦怠感、便秘や下痢などの副作用が出る恐れがあることがデメリットです。

 

6章、盲腸がんに関するQ&A

最後に、盲腸がんに関してよく聞かれる質問にお答えします。

 

盲腸がんでお腹に痛みが出ることはありますか?

盲腸がんで痛みが出る可能性はゼロではありませんが、出ないことが多いと考えられます。通常、大腸がんの痛みは便の通りが悪くなることで起こります。盲腸付近の便は水分が多いため、通過障害はでないため痛みがさほど出ません。

 

盲腸がんはどのように診断しますか?

大腸内視鏡検査を行い、病巣の組織を採取してがんかどうかを調べる方法が一般的です。また、CTやMRIなどを用いて進行度合いや転移を評価します。

 

盲腸がんと虫垂がんは何が違うのですか?

盲腸がんは盲腸にできるがん、虫垂がんは虫垂にできるがんのことを指します。虫垂炎のことを盲腸と呼ぶことがありますが、盲腸がんと虫垂がんは別のものです。

 

まとめ

今回は盲腸がんの症状について解説をしました。本記事の盲腸がんに関するポイントとしては、以下のことを理解していただければと思います。

 

・盲腸がんの症状は比較的わかりづらい(通過障害が起きにくいため)

・盲腸がんが大きくなると外からしこりが触れたり貧血になることがある

・大腸内視鏡検査(大腸カメラ)がゴールドスタンダード

 

盲腸がんを含め、大腸がんは40代になると発症率が上がります。盲腸がんのように症状が出にくいものもありますので、定期的に検査を受けることが大切です。

 

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