アニサキス症は薬で治る?効果的な治療法と予防対策を詳しく解説

「アニサキス症は薬で治るの?」

「アニサキス症の治療法にはどんなものがあるの?」

「アニサキスが疑われる場合、どんな検査を受ければいいの?」

こうした疑問をお持ちではありませんか?

アニサキス症は、生の魚介類を食べることで発症する寄生虫感染症です。日本のような魚食文化圏では特に注意が必要な病気といえるでしょう。

感染すると、激しい胃痛や腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。自然治癒する場合もありますが、長引くと消化器官に損傷を与える可能性があるため、早めの対応が大切です。

この記事では、北千住駅から徒歩2分の東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院の消化器専門医が、アニサキスの基礎知識から診断方法、治療法、さらには予防策まで詳しく解説します。内視鏡検査の重要性や、最新の治療法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

アニサキスとは?

アニサキスは、主に海産魚介類に寄生する線虫の一種です。人間がアニサキスに感染した生の魚介類を食べると、アニサキス症にかかることがあります。この寄生虫は、主に以下の特徴を持っています。

  • 長さ2〜3cm程度の白色の線虫である
  • 主にサバ、サンマ、イカなどの海産魚介類に寄生する
  • 魚の内臓や筋肉の内部に存在する

アニサキスは、寄生先の魚介類を人間が生食した際に、一緒に体内に侵入します。アニサキスが胃や腸の壁に侵入すると、激しい痛みや炎症を引き起こし、これがアニサキス症の主な症状となります。

アニサキスは、魚介類を生で食べる日本人にとって特に注意が必要な寄生虫です。近年、生魚の消費量増加に伴い、アニサキス症の報告件数も増加傾向にあります。

 

アニサキスによる食中毒の症状

アニサキス症の症状は、感染部位によって異なります。これらの症状は、アニサキス症の診断や適切な治療法の選択に重要な手がかりとなります。症状が現れた場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。

主な症状を以下に説明します。

胃アニサキス症

胃アニサキス症は、最も一般的なアニサキス症です。胃アニサキス症は、生魚や未調理の魚介類を食べた後、数時間以内に激しい胃痛を引き起こすことが特徴です。アニサキスが胃の粘膜に侵入しようと食い込むことで炎症が起こり、その結果、強烈な痛みが生じます。

さらに、吐き気や嘔吐を伴うことが多く、非常に強い苦痛を伴う症状となります。主な症状は以下の通りです。

  • 激しい上腹部痛
  • 吐き気・嘔吐
  • 軽度の発熱

これらの症状は通常、感染した魚介類を摂取してから8時間以内に現れます。

腸アニサキス症

腸アニサキス症は、アニサキスが小腸や大腸に寄生した場合に起こります。アニサキスが腸に達し、腸壁に侵入しようとする際に、腹痛や下痢が生じます。時には発熱を伴うこともあります。腸アニサキス症の症状は、胃アニサキス症に比べて比較的軽度ですが、症状が持続することがあります。これは、腸内でアニサキスが移動する際に腸壁に微細な損傷を与えるためです。主な症状は以下の通りです。

  • 激しい腹痛(特に右下腹部)
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢

症状は通常、感染魚介類を摂取してから1〜5日後に現れます。

消化器外アニサキス症

稀に、アニサキスが消化器外に移動することがあります。この場合、全身症状や異常部位の痛みが現れ、診断と治療が難しくなることがあります。消化器外アニサキス症が発生するのは、アニサキスが消化管を越えて他の臓器に侵入することが原因です。例えば、アニサキスが腹腔内に侵入した場合、腹膜炎を引き起こすといった形です。このような場合、症状が広範囲に及ぶため、原因がアニサキスであるという特定が困難になることがあります。

この場合、以下のような症状が現れる可能性があります。

  • 咳や胸痛(肺に迷入した場合)
  • 皮膚の腫れや痒み(皮下組織に迷入した場合)

魚介類の生食後に体調を崩した場合には、消化器外アニサキス症の可能性があります。

アニサキスアレルギー

アニサキスアレルギーは、アニサキスに対するアレルギー反応であり、ひどいときには蕁麻疹や呼吸困難を引き起こすケースも見られます。これは、アニサキスの成分が体内に入ることで、免疫系が過剰に反応するため引き起こされます。この場合、迅速な医療処置が必要です。アニサキスアレルギーは、アナフィラキシーショックという、強いアレルギー反応を引き起こすことがあり、適切な治療を受けなければ命に関わる可能性もあります。

主な症状は以下の通りです。

  • じんましん
  • 呼吸困難
  • アナフィラキシーショック(重症の場合)

これらの症状は、アニサキスを含む魚介類を摂取してから数時間以内に現れることが多いです。

 

アニサキスは薬で治せるのか

アニサキス症の治療において、薬物療法が選択されるケースはそこまで多くありません。その理由としては以下のようなものが挙げられます。

  • アニサキスは体内で繁殖しない:アニサキスは人間の体内で繁殖しないため、人間同士の間で感染が広がる心配はありません。そのため、感染を完全に排除するための長期的な薬物療法は不要です。
  • 虫体が大きいため、薬物だけでは効果的に排除できない:アニサキスの虫体は比較的大きく、薬で簡単に溶かしたり殺したりすることができません。薬物療法ではアニサキスを完全に除去することが難しいのです。
  • 症状発現までの時間が短く、迅速な対応が必要:アニサキス症の症状は感染後数時間以内に発現することが多く、激しい痛みを伴います。迅速に症状を緩和するために、薬物療法ではなく、物理的にアニサキスを取り除く方法が選択される方が多くなります。

アニサキス症の標準的な治療法は、薬物療法ではなく、内視鏡による虫体の除去です。これは、アニサキスの特性と人体への影響を考慮した最も効果的な方法とされています。

ただし、症状や感染部位によっては、補助的に薬物療法が行われる場合もあります。例えば、痛みが強い場合には鎮痛剤が使用されたり、アレルギー症状がある場合には抗ヒスタミン薬が処方されたりします。

 

アニサキスの治療方法

アニサキス症の治療は、感染部位や症状の程度によって異なります。これらの薬剤は、アニサキスを直接殺虫することはできませんが、虫体の運動を抑制し、人体からの自然排出を促す効果があるとされています。

ただし、これらの薬剤の使用はケースバイケースであり、必ずしも全ての患者に処方されるわけではありません。多くの場合、対症療法(痛み止めの投与など)と経過観察が行われます。

主な治療方法は以下の通りです。

胃カメラ(内視鏡)を用いた治療

アニサキス症の診断と治療において、内視鏡検査は非常に重要な役割を果たします。特に胃アニサキス症の場合、内視鏡検査は診断と治療を同時に行うことができる効果的な方法です。

診断:内視鏡を用いることで、医師は直接アニサキスを確認することができます。これにより、迅速かつ正確な診断が可能となります。

治療:アニサキスが確認された場合、内視鏡を通じて専用の器具を使用し、直接アニサキスを除去することができます。この方法は、迅速かつ確実にアニサキスを取り除くことができるため、患者の症状を即座に改善することが可能です。

【内視鏡検査のメリット】

  • 迅速な診断と治療が可能
  • 患者への負担が比較的少ない
  • 症状の即時改善が期待できる

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院では、最新の内視鏡機器を使用し、経験豊富な専門医がアニサキス症の診断と治療を行っています。

内服薬を使用する場合

腸アニサキス症の場合には、内視鏡を使用して直接アニサキスを除去することが難しくなります。そこで使用されるのが内服薬です。内服薬はアニサキスを直接殺虫するわけではありませんが、その運動を抑制し、人体から自然に排出されるのを助ける役割を果たします。これにより、患者の症状を緩和し、感染を治療することができるのです。

  • アルベンダゾール(駆虫薬の一種):アルベンダゾールは、寄生虫の代謝を阻害することで、その運動を抑制します。これにより、アニサキスが腸内で動かなくなり、人体から自然に排出されるのを促進します。
  • プラジカンテル(寄生虫駆除薬):プラジカンテルには、寄生虫の筋肉を麻痺させる作用があります。これにより、アニサキスが腸内で動けなくなり、体外への排出が容易になります。

 

アニサキスを予防するには?

アニサキス症を予防するために、いくつかの予防策が提唱されています。

特にお刺身などの生魚をよく食べる方は、これらの予防策を日常的に実践することで、アニサキス症のリスクを大幅に減らすことができます。予防は治療よりも効果的なので、安心して魚介類を楽しむためにもこれらご紹介する予防策の実践を心掛けましょう。

魚介類の生食を避ける

アニサキス症に対する最も確実な予防法は、魚介類の生食を避けることです。

アニサキスは加熱や冷凍により死滅するため、魚介類を食べる際には以下の調理方法を選ぶのをおすすめします。

  • 加熱:アニサキスは高温に弱いため、中心温度60℃以上で1分以上加熱すると死滅します
  • 冷凍:-20℃で24時間以上冷凍することで、アニサキスの細胞を破壊し、殺虫することができます。

加熱も冷凍もいずれも有効な手段ですが、冷凍の場合には注意が必要です。家庭用冷凍庫の温度は-20℃に達しないことも多いため、確実な冷凍処理が難しいかもしれません。

魚を新鮮なうちに食べる

アニサキスは魚の死後、内臓から筋肉部分に移動します。つまり我々にとっての可食部分に移動してしまうことになるため、魚の生食をする際には以下のようなことに気を付けてみましょう。。

  • 新鮮な魚を選ぶ:新鮮な魚はまだアニサキスが内臓に留まっており、筋肉に移動していない可能性が高くなります。
  • 内臓を速やかに取り除く:魚の死後、内臓を速やかに取り除くことで、アニサキスが筋肉への移動を防ぐことができます。
  • できるだけ早く調理・消費する:魚を購入したら、早めに調理して食べることで、アニサキスの移動を防止できます。

アニサキスは内臓から筋肉に移動するため、新鮮さを保つことでそのリスクを最小限に抑えることができます。

手に傷があるときは、手袋をして生魚を調理する

アニサキスは、傷口から体内に侵入する可能性があります。アニサキスが傷口から入り込むと、局所的な感染や炎症を引き起こす可能性があります。そのため手に傷があるときは、手袋をして生魚を調理するよう心掛けましょう。

また、調理後に十分に手を洗うことで、アニサキスやその他の帰省中の卵が手に残ることを防げます。こちらも寄生虫対策として、ぜひ意識してみてください。

 

アニサキスの相談は東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニックへ

アニサキス症は、魚介類を食べることで発症する寄生虫感染症であり、激しい痛みや不快感を伴います。特に生魚を食べる文化がある日本では、アニサキス症の予防と早期発見が重要です。治療は主に内視鏡検査による物理的な除去と症状を和らげる薬物療法があり、迅速かつ適切な対応が求められます。

予防策としては、魚介類の生食を避けること、新鮮なうちに食べること、手に傷がある場合は手袋を使用することが挙げられます。アニサキスアレルギーを持つ方は、特に厳重な管理が必要です。これらの対策を日常的に取り入れることで、アニサキス症のリスクを大幅に減らすことができます。

アニサキス症にお悩みの方や迅速な診断・治療を希望される方は、北千住駅から徒歩2分の東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院へお越しください。当院では、経験豊富な消化器専門医による丁寧な診察と、最新の内視鏡機器を用いた診断・治療を行っております。

内視鏡検査によりアニサキスを直接確認し、迅速に除去することで、患者さんの痛みや不快感を速やかに軽減します。また、内視鏡検査は他の消化器疾患の早期発見にも役立ちます。アニサキス症でお困りの方は、ぜひ当院にご相談ください。

電話でのご予約も9〜17時で承っています。

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