なぜ​​​​​大腸がんになると貧血が？メカニズムや基準の値を解説

「最近、顔色が悪いといわれたり、疲れやすかったりして貧血のような症状がある」

「病院で貧血といわれた」

以上の悩みはありませんか？

もし40歳以上でこれらの悩みを抱えている場合は、大腸がん検査である大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。貧血は大腸がんのサインの1つでもあるため、放っておかずに医師に相談することが大切です。

この記事では、大腸がんで貧血がおこるメカニズムや貧血の基準となる数値を解説します。貧血以外の大腸がんが疑われる症状についても、お伝えしますので、最後までご覧いただければと思います。

1章、貧血は大腸がんの重要なサインのうちの1つ！

貧血は大腸がんの重要なサインのうちの1つであるため、注意が必要です。ここでは大腸がんの概要と特徴、貧血になる理由、貧血を判断する場合のモグロビン基準値について解説します。また、高齢者ほど貧血の場合にがんを疑うべき点についてデータを元に説明するので、どうぞご覧ください。

1-1、大腸がんとは

大腸がんは近年、罹患する人が増加傾向にある病気です。日本人では、S状結腸と直腸に発生しやすいといわれています。高齢者に限らず、50歳未満の若年層にも増えている病気であるため、年齢に関わらず注意した方がよいでしょう。

また初期の大腸がんは、ほとんど自覚症状がない点も特徴です。痛みが現れるころには、がんが進行していることもあるため、貧血などの症状が見つかった場合は、精密検査を受けることが大切です。では、なぜ大腸がんになると貧血になるのでしょうか？次にそのメカニズムを解説します。

1-2、大腸がんになると貧血の症状が現れるのはなぜか？

大腸がんが進行すると、がんの表面の粘膜が脆くなり出血が起こります。がんから慢性的に出血が起こると、鉄分が奪われ、鉄欠乏性貧血と呼ばれる種類の貧血になります。鉄欠乏性貧血を見逃さないためには、血液検査を受けることも大切です。

1-3、貧血におけるヘモグロビン濃度の数値基準

血液検査でヘモグロビン濃度（Hb）を測ると、貧血かどうかを診断できます。貧血と診断する際の数値基準は、次のとおりです。

血液検査の結果、貧血といわれたら、指示に従い精密検査を受けましょう。もし精密検査を受けることを進められなかった場合も、専門のクリニックで精密検査を受けることをおすすめします。

1-4、高齢者ほど貧血の場合は大腸がんのリスクが高い

大腸がんのリスクは、40歳を過ぎるころから徐々に上昇します。そして80歳くらいになると、人口10万人に対して男性であれば500人以上、女性であれば300人以上の人が大腸がんにかかるのです。

出典：がん種別統計情報 大腸｜国立がん研究センター がん情報サービス

50代前半で大腸がんになる方は、男女ともに10万人に対して100名にも満たないため、30年間で3～5倍以上も大腸がんにかかりやすくなります。

40歳以上になると各自治体では大腸がん検診が実施されるため、検診を受けて大腸がんの有無をチェックしましょう。また人間ドックであれば、年齢に関わらず大腸がん検査を受けられます。

人間ドックのがん検査とがん検診については、「人間ドックとがん検診の違いとは？胃がんや大腸がん検診についても解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2章、貧血以外の大腸がんが疑われる症状

貧血以外にも、次のような症状が現れた場合は大腸がんが疑われます。

それぞれの症状について解説します。

2-1、便に血が混じっている

肛門に近い直腸に大腸がんができた場合は、赤い血便がみられます。一方で、肛門から遠い大腸の奥にできたがんから出血した場合は、暗赤色の血が便に混じる点が特徴です。

ティッシュペーパーに血がつくなどの痔と思われるような症状でも、大腸がんの場合があるため、念のために病院を受診したほうがよいでしょう。

2-2、体重が急に減少した

大腸がんになると、食欲が低下したり、がん自体がカロリーを消費したりするため体重が急激に減少します。ダイエット中ではないのに、急に体重が落ちたらがんの可能性があるため、医師に相談しましょう。

2-3、便が細くなり残便感がある

大腸がんになると便が細くなり、出しても残便感があるためトイレの回数が増えます。これは、がんが大きくなることによって、大腸で便の通り道が狭くなるために起こる症状です。

2-4、便秘と下痢を繰り返す

大腸に腫瘍ができると大腸が動きすぎて下痢になったり、便の通過障害による便秘になったりします。その他、腸内環境の変化により排便習慣に影響が出ることもあるため注意しましょう。

排便習慣の変化には、毎日決まった時間にトイレに行っていた方が、急に行かなくなったことなどが考えられます。

2-5、痛みがでる

大腸がんが進行すると、便が大腸を通り過ぎる際に腹痛を感じるようになります。お腹の左側である下行結腸～肛門にかけては、便が固まりやすい傾向があるため腹痛が現れやすい特徴があります。

反対に、大腸の奥にあたる腹部の右側では便が液状であるため腹痛を感じにくいと言われています。盲腸にできる盲腸がんも症状がでにくい大腸がんの一つです。

盲腸がんに関しては、「盲腸がんの症状は？治療方法や検査方法についても解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3章、大腸がんの検査内容

大腸がんの検査には、便潜血検査と大腸内視鏡検査があります。それぞれの検査法について解説します。

3-1、便潜血検査

便潜血検査は大腸がんを早期発見するためにも受けておいたほうがよい検査です。日本では、2日間にわけて便を採取して検査をする方法が行われています。

1回の便検査による早期大腸がんの陽性率は30～40%といわれています。2回受けることで、陽性率が10～20%程度向上するため、より大腸がん検査を正確にするため2日間に分けて便検査が行われます。

2日間のうち1度でも陽性であれば、次に紹介する大腸内視鏡検査を必ず受けるようにしましょう。便潜血検査について詳しいことを知りたい場合は、次の記事も参考にしてください。

なぜ便潜血検査陽性で大腸カメラが必要なのか？原因も含め解説

3-2、大腸内視鏡検査（大腸カメラ検査）

大腸内視鏡検査とは、内視鏡スコープを肛門から挿入して大腸の粘膜を詳しく検査する方法です。大腸の奥まで検査できるため、便潜血検査よりも正確に大腸がんの有無を確認できます。

当院のように高精度なカメラで専門医が検査を行うようなクリニックでは、微細な早期がんやがんになる前の病気を発見できます。そのため、がんが悪化する前に早めの処置が可能です。

まとめ

今回は大腸がんと貧血の関係について解説しました。大腸がんと貧血については、以下のポイントをおさえておきましょう。

●    繰り返し貧血の症状が出たり、血液検査で貧血の診断を受けた場合は、大腸がんなどの原因による内臓からの出血が疑われる

●    大腸がんにかかる人は40代以降から増加して、高齢になるほど罹患する人が多くなる

●    血液検査で貧血を指摘されたら大腸がんの検査を受けた方がよい

●    潜血便検査で陽性の場合は大腸内視鏡検査（大腸カメラ検査）受けることが大切

以上の点に注意して、貧血の診断を受けた場合は大腸がんの検査を受けることをおすすめします。

当クリニックでは、24時間WEBにて大腸内視鏡検査の予約を承っています。下記より予約が可能です。

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