胃腸に優しい食事を食べるコツ|自炊、中食、外食で使える

検査後のお食事

胃腸を休めたい際、何を食べたら良いのか、何を食べてはいけないのか判断に困ったことはありませんか。一見すると、普段は健康に良い料理や食材でも、体の調子が優れない場合には健康を害する危うさを持つことがあります。今回は、体調を崩した日、食べ過ぎた次の日に食べると良い食事内容について、普段の食事とどう違うのか、気をつけるべきポイントはどこかを分かりやすくご紹介します。

食事

胃腸に優しいとはどういうこと?

 

・消化吸収で体に負担をかけない

消化吸収は意識せずとも私たちの体が食後に勝手に行ってくれる生命活動です。しかし、消化吸収は消化管だけでなく、脳をはじめとする中枢器官から筋肉などの末梢器官まで総動員して行う大仕事なので、体が弱っている際には大きな負担になります。体調を回復させるには栄養素を摂取することが必要なので、食べられる範囲で食事をします。この食事が容易に消化吸収できるものであれば、体への負担を最小限に抑えられるので、元気になるまでの期間を短縮できます。

・胃もたれや腹痛を緩和する

 

胃腸が弱っていると、消化吸収能力の低下だけでなく、胃腸に炎症を起こし痛みを伴うことも多いです。炎症を引き起こす働きを持つ栄養成分が多く含まれる食品を避けることが痛みの緩和に役立ちます。炎症を引き起こして痛みを増悪させる栄養成分がある一方で、抗炎症作用や鎮痛作用を持つ栄養成分も一部の食品には含まれます。炎症を抑制する栄養成分を摂取することで胃もたれや腹痛の緩和が期待できます。

・体を温める

元気な日でも、冷たい飲み物を飲み過ぎたり、空調が効き過ぎた環境にいたりすると胃腸の働きが弱まって腹痛を引き起こすことがあります。冷えは女の大敵と言われますが、性別、年齢に関係なく、冷えは健康な胃腸の大敵であると言えます。夏でも室温または温かい飲み物を飲んだりして、冷たい飲み物やアイスを避けることが疲れた胃腸の回復に効果的です。体を温めて、胃腸の痛みを取り除き、消化吸収機能を回復させましょう。

胃腸に優しい食事の特徴5選

①刺激が少ない食事

1つ目の特徴は、香辛料や刺激物と呼ばれる成分が含まれないことです。香辛料は、味にアクセントを付ける、香り付けしてワンランク美味しくするなど料理に欠かせませんが、胃腸が弱った際は我慢しましょう。カフェインやカテキンといった成分も、弱った体からは遠ざけましょう。

 

②脂が少ない食事

脂質を多く含む食品を食べると、消化吸収に長い時間がかかります。胃に食べ物が留まる時間と腸管を通過する時間が延びれば延びるだけ、胃腸への負荷は増大します。また、脂質の構成成分として飽和脂肪酸が多いと、炎症を惹起してしまい、胃炎や腸炎が増悪します。普段食べる料理でも、脂が少ない食材に置き換えるだけで胃腸に優しい献立になります。

③食物繊維が少ない食事

食物繊維はダイエット、美肌づくり、腸内環境の整備に欠かせない栄養成分で、体に悪いイメージはほぼありません。しかし、胃腸の機能が弱まった場合は例外です。ヒトは自力で食物繊維を消化することができないので、腸内細菌に消化吸収を助けてもらっています。胃腸が弱っている状況で多量の食物繊維を食べると、消化吸収が追いつかず、下痢あるいは便秘を引き起こすことがあります。

④薄めの味付けの食事

味付けが濃い料理は美味しさをダイレクトに感じられるので、普段は何も考えずに食べ過ぎてしまいます。食塩摂取量が多いと、胃酸を分泌する能力が落ちて、消化機能がさらに悪化します。素材の美味しさを味わう機会だと割り切って優しい味付けの料理を食べるようにしましょう。

⑤軟らかい食事

軟らかい食材や料理は消化吸収が簡単で胃腸に負担をかけにくいと感覚的に理解できます。消化吸収率は、調理方法によって大きな差が生まれるので、じっくり煮込む、細かく刻むといった配慮が重要です。

胃腸に優しい料理の作り方

 

・慎重に食材を選ぶ

 

まずは食材選びから気をつけてみましょう。普段食べ慣れないものをわざわざ食べる必要はありません。いつも皮付きの鶏もも肉を食べる方は、同じ鶏肉でもささみに替える、ニンニクやニラが好きな方は今日は使わないと決めるだけでも胃腸を労わることが可能です。

・刻んだりすりおろしたりして小さくする

刺激の強い食材や消化吸収に時間がかかる食材を避けたら、いよいよ調理に入ります。下準備として、普段は食材の皮を剥いたり、ひと口大に切ったりしますが、胃腸が弱っている日は、ひと手間かけて調理します。皮を厚めに剥いてみじん切りあるいはすりおろしにすれば、消化吸収効率がぐんと上がります。

・茹でる、煮る、蒸す、焼くを上手に使う

調理法について、細かい制限はありませんが、油で揚げる、油を多めに使って揚げ焼きにする調理法は避けましょう。加熱時間を長めにとって、茹でたり煮込んだりすると食材が軟らかくなって消化に良い状態になります。油を使わない調理法としておすすめなのは、蒸す、フッ素加工フライパンで焼くの2つです。

・肉や卵の加熱しすぎに注意する

うどんや野菜は加熱時間を延ばせば、消化しやすい軟らかさになります。同じ考え方が肉や卵にも応用できそうですが、タンパク質は熱で固まる性質を持つので加熱しすぎるとかえって胃腸に負担をかけることになります。肉や卵は焼き過ぎないよう注意しましょう。

胃腸に優しいお惣菜の選び方

・揚げ物や脂が多いものを避ける

自分で作る場合と同様に、揚げ物や脂が多い食品を避けるのが有効です。唐揚げや天ぷらは衣だけでなく、食材も油を吸っているので、想像以上に脂質を取り入れてしまいます。豆腐やなすなど軟らかそうな食材は消化に良く思えますが、軟らかいということは油が入る余地が多いことを意味します。揚げ出し豆腐やナスの挟み揚げなども寛解までは避けるのが賢明です。

・彩りの野菜や海藻、きのこを避ける

お惣菜を手に取る際、見た目が綺麗なものに手を伸ばすのが人間の性です。彩りのための野菜や海藻が入っていたり、きのこでかさ増しされていたりすると、つい食べたくなりますが、胃腸が本調子になるまでは避けるようにしましょう。彩りの良い野菜や海藻、きのこは食物繊維が豊富です。普段なら進んで手に取りたいですが、胃腸に優しい食事には不向きです。

・煮物やさっぱりとした焼き物を選ぶ

揚げ物がだめならば、煮物や焼き物を選ぶことになります。煮物でも、豚の角煮や筑前煮は避けるようにしてください。脂が多い、食物繊維が豊富という胃腸に不親切な特徴を備えているからです。魚の煮物や煮込みうどん、大根おろし付きの焼き魚を選ぶのがおすすめです。同じ脂でも、青魚に豊富なn-3系脂肪酸は炎症を抑える作用があるので、肉より魚を選んでみましょう。

胃腸に優しい外食メニューの選び方

・硬さを選べるなら麺は軟らかくする

 

間違ってもバリカタ、固茹では選ばないようにしましょう。胃腸が元気な日の感覚が抜けずに、反射的に硬い茹で方を選んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。可能な限り、食感にコシが少ない軟らかな茹で上がりを注文すると良いです。また、冷製パスタやざるそば、冷麺は、温かい麺類より歯応えが強いので、体を温める意味も込めて冷たい麺ではなく温かいおつゆに入った麺を選んでください。薬味の食べ過ぎにも注意しましょう。

・雑炊などあっさりしたメニューがおすすめ

体調を崩した日のご飯はお粥というイメージがありますが、飲食店でお粥を提供してくれるところはほとんどありません。雑炊やリゾットであれば、一部のお店では頼むことができるので、塩辛い付け合わせやクリームなど濃厚な材料を避けて選ぶようにしましょう。鮭ほぐし雑炊や卵雑炊、トマトリゾットがおすすめです。

・天ぷらやカツは避ける

大切な事項なので何度も書きますが、油をたっぷり使った揚げ物は胃腸が不健康なうちは避ける必要があります。サックリとした軽い食感は食欲を増進しますが、消化吸収には負荷がかかります。カツとじなら衣がしっとりして軟らかいから良いのではと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、飽和脂肪酸が多い肉を油を使って揚げているので、胃腸が順調に動き出すまでは我慢しましょう。

胃腸に優しいおやつや飲み物の選び方

・食物繊維や脂質が少ないものを選ぶ

果物、ナッツ、全粒粉を使った焼き菓子は普段なら積極的に選びたい食品です。しかし、胃腸が弱っている場合、食物繊維はできるだけ少なく、バターやマーガリンを使ったお菓子も避けましょう。甘味が強いおやつも胃腸の働きを鈍くするので、どうしてもおやつが食べたいなら、素朴な味のものを選びましょう。おすすめは、煮リンゴや焼きバナナです。皮を剥いてしっかり加熱することで軟らかくなります。シナモンやバターを使わなくても自然な甘味で満たされます。

・軟らかいプリンやゼリーがおすすめ

なめらかな食感のプリンやゼリーがおすすめです。注意点としては、チョコレートや生クリームを使ったプリンを避けること、コーヒーゼリーや大きな果肉がゴロゴロ入ったゼリーを避けることが挙げられます。アロエやナタデココは食物繊維が豊富なので、胃腸が悪い日は避けましょう。乳製品は胃粘膜を保護する作用を持ち比較的胃腸に優しいと言えるので、ヨーグルトムースも選択肢の1つとしておすすめです。

・刺激物、アルコールが入っていないものを選ぶ

飲み物で避けるべきなのは、カフェインを多く含む緑茶、紅茶、コーヒーです。また、アルコールは、度数が高いものを飲んだり、飲酒量が過剰になったりすることで消化管に直接的な障害を与えるので飲まないようにしましょう。直接障害するだけでなく、胃腸粘膜の血流を悪くする、消化液の分泌を妨げる、消化管の運動を抑制するといった間接的な悪影響も及ぼします。アルコールの大量摂取は、栄養素の消化吸収機能を低下させ、水分と電解質の排出を促すことで下痢を引き起こします。胃腸が弱っている日は禁酒して体を労りましょう。

胃腸に優しい食事まとめ

消化吸収能力が落ちて炎症を起こしている胃腸には、優しい食事が必要です。消化吸収で体に負担をかけず、炎症を緩和し、体を温めるような食事で胃腸の機能を回復させましょう。具体的には、刺激物、脂が多い食材と調理法、多量の食物繊維、塩味や甘味が濃い味付け、歯応えのある硬い食感を避ける必要があります。自分で調理する場合、お惣菜をお店で買う場合、飲食店で食べる場合に分けて、胃腸に優しい食事を実現するためのコツをご紹介しました。胃腸に優しい食事の原則を思い出しながら、それぞれお持ちのライフスタイルに合わせて無理の無い範囲で実行してみてください。3食の食事だけでなく、間食や飲み物も刺激物やアルコールを避ける必要があります。胃腸の調子が優れない日は、今回の内容を思い出して優しい食事をするよう心がけましょう。

毎日このような食事を作るのは難しいという方には、大腸検査の際に食べる検査食があります。検査の前に食べるもので胃腸にやさしくしかもおいしいです。ご興味のある方は、当クリニックのホームページからも購入ができますので、どうぞご利用ください。

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